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by lawyergo Dec 21. 2023

仏様の 額の 斧

貴重な失敗 大切な発見


仏様の 額の 斧

化主 施主 相逢


お布施を 勧める人と お布施した人が お互いに 会う。



慶南 山清郡に [深遠寺]という 寺がある。


[深遠寺]の 本堂(法堂)は とても 古くて、ぼろぼろに なっているので、


雨が 降れば 雨水が 入って 来ます。


なので、志經住職は お寺を 建て替えようと


願を立てて 100日間 お祈りしました。


そして、お祈りが 終わる日、


夢に 仏様が  現われって、


"明日 村の はずれに 行って 最初に 会う人に お布施を 頼みなさい。"


と おしゃいました。



翌朝, 住職は 朝の 礼仏を 終えて、


'勧善文’を 持って、


心を わくわくしながら


村の はずれで 待ってました。


ところが 最初に 現れた 人は


上の村の チョ富者(お金持ち)の 家の


貧しい 使用人の 'サムドリ'だった。


無心な 仏様、


あの 貧しい 使用人に どうやって お布施を 頼みますか?


気が 抜けた 住職は 地面に そのまま 座り込んでしまった。


その姿を 見た 'サムドリ'は 隣に 近づいて、


"住職!どこか 身体の 調子が 良くないですが?"


と 起こして くれた。


住職は 何度も ためらった。



だけど 仏様の お言葉を 思い出して、


お寺を 建て替えように


お布施を 頼みました。


どころが 意外なことに 貧しい 使用人の 'サムドリ'は


"お寺の 建て替えには 費用が いくらか 分かりませんが、


結婚の為 貯めた お金が あるので 差し上げます。


住職!お寺の 建て替えに お使い ください。” と


`勧善文’に 100両と 書いてくださいと


言う事 でした。



あなたには どうやって それほど 大きな お金を 持ってますか?


"はい、住職!私は チョ富者の 家で 30年余りに わたって、


使用人の 暮らしを し、


結婚しようと、


お金を 全く 使わないで 貯めました。


結婚するより もっと 意味の ある事に 使いたいです。"


"ありがとう ございます。


どうぞ、願いが 叶いますように。"


住職は 貧しい 使用人の 'サムドリ'の 心に 感心し、


何度も 挨拶を した。


数日後、'サムドリ'は お金100両を 持って [深遠寺]に 来た。

'サムドリ'が 本堂に 入ると、


いつも 厳しい 姿の 仏様が にっこりと 笑って おられた。


"仏様、私は 学べませんでした。


だから 貧しい 使用人として、一生を 過ごして います。


しかし、仏様!次の生(来世)には 是非 私も 学んで、


貧しい 使用人だけは 免れて ください。"と


仏様の 前に 頭を下げました。



'サムドリ'が 生涯を 貯めて来た 大切な お金を お布施した


お話しを 聞いた 村の 人たちは,


みんなが  'サムドリ'が  狂ったと ささやいた。


住職が 騙して、お金を 奪ったと 噂が 広まった。



みんなが 悪口を 言ったり、誹謗をしても、


寺を 再建する事は 錯誤せずに 行われた。


ついに、[深遠寺]は 雨が 降っても


心配なく 過ごせるように 見事に 仕上がった。


しかし, すべての 財産を 全部 捧げた 'サムドリ'は


お金が なくなり、結婚する事が できなかった。



寺が 完成し、一年が 過ぎる頃、


'サムドリ'は 脳卒中で 倒れて、下半身不随に なって しまった。


'サンドリ'は チョ富者の 家に 住む事も できなくなった。


村人に 運ばれて来た 'サムドリ'を 住職は


丁寧に 看護を した。


'サムドリ'は お布施の 功徳が ありますので、


治ると 信じて、住職は 100日の お祈りを 始めた。



ところが、100日の お祈りが 終わる 前に、


'サムドリ'は 偶然 目が 見えなくなり、


突然 死んで しまった。


虚脱した 心を なだめながら 丁寧に 葬式を 行った 後でも


住職は 虚しくなった 気持ちを 落ち着ける事が できなかった。 



なぜ こんなにも 仏様は 薄情なのか?


一生の間に 貧しい 使用人の 暮らしをしなから


貴重な お金を 仏様に お布施した 功徳を 知らずに。



怒った 住職は 斧を 持って、本堂に 入って、


魂もいない 仏様を 限りなく 恨みながら


斧で 力強く 打ち下ろした。



すると、斧が 仏様の 額に 打ち込まれて 抜けて いなかった。


全力を 尽くしても 抜けないと 恐れた 住職は


斧を そのまま 置いて 寺を 去って しまった。


背袋(バラン)  一つだけを 背負って、全国各地の 名山大刹を 訪ねて、

勉強する事が いつの間にか 二十五、六年。


長い年月が 経っても、住職は 思わず 流れる 白い雲を 眺めっても、


春が 来ると 咲き誇る 黄色い 花菖蒲(花しょうぶ)を 見ても、


霧雨が 静かに 降るのを 観ても,


[深遠寺]を 思い出して、


その昔を 懐かしめっていた。



"今頃 [深遠寺]は 完全に 廃墟に なって いないのかな?


今頃 [ 深遠寺]の 本堂の 前庭には 花菖蒲(花しょうぶ)が 満開だろう。


今頃 誰かが 入って来て 斧を 抜いて 仏様を 侍奉するだろう。"


住職は 色々と 考えながら 悩んだ 後で、


ある日、[深遠寺]の 仏様を


お会いしなければならないと思って


寺を訪ねた。



ところが、


その日 山清郡に 新たに 赴任した


'朴永劑'という 員様が


[深遠寺]に ついて 話しを 聞いては、


"そんなことが あるのか。


私が 行って 一度 斧を 抜いて 見よう。"と言って、


異邦と 何人の 眷屬を 連れて


寺を 訪ねて来た。




メモ


員様(ウォンニム): 日本 の市町村ぐらいの 規模の 首長


異邦(イバン): 朝鮮時代の 官職名


員様(ウォンニム)が [深遠寺]に 来るという 噂に、

村人たちが 寺に 集まった。


員様が [深遠寺]に 来てみると、


さすがに 聞いた 話し通り、


仏様の 額には 斧が 刺さって いた。



"本当に 奇妙な ことだ。"と


手で 仏様の 額の 斧を つかむと、


簡単に すっぽ抜けた。


斧の刃には、' 化主 施主 相逢 'という


文字が 書かれて いた。



その 文書を 見た 瞬間、


員様は ‘ 豁然大悟 ’ した。


その時、


員様は 前生の 自分を 見ることが できた。



斧を 抜く 瞬間、


見物人の 中に いた 志經(ジギン)住職は


員様の 前に 出て、挨拶を するから、


員様は 住職の 手を 握って、


" 住職! 私は 前生に 住職の おかげで、


お布施した 功徳が あり、


' 一字無職 (一文不通) 'として、


三世に 受け取る 業報(Karma)を 一の生で 済ませて、


今生に 良い家庭に 生まれ、


こういう 官職(ピョする)を するように なりました。"


と 言って 住職と 共に 仏様の前に 進んで


限りなく 精誠を 尽くして 拝みました。




メモ


豁然大悟 : 疑い 迷っていた ことが、からっと 開け 解けて


                   真理を悟る事


お布施 (おふせ) : 宗教(仏教)を 信仰する 気持ちに よって、


                   自発的に 神仏に お供えする お金

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