<워싱턴포스트> 마틴 바론 전 편집장 인터뷰
저널리즘의 미래와 관련한 아주 유익한 인터뷰 기사(아사히신문 1월 21일자, 마틴 바론 전 <워싱턴포스트> 편집주간)입니다. 유료회원 기사라 링크로 공유하면 전부 읽을 수 없어, 복사해서 붙였습니다.
일본어를 읽을 수 없는 분들을 위해 짧게 요약하면, 인터뷰 핵심은 종이신문이 없어지는 것은 시간의 문제, 그러나 중요한 것은 저널리즘의 기본이념과 원칙을 지키는 것이라는 얘기입니다.
내가 이 인터뷰 가운데 가장 중요한 대목이라고 생각하는 부분은, "저널리즘의 장래는 우리가 하는 일에 돈을 내려는 생각을 하는 독자를 확보하느냐 마느냐에 달렸다. 진정한 가치를 제공하면 독자는 그에 돈을 지불한다. 철저한 심층 취재, 더욱 많은 조사보도, 뛰어난 분석, 스토리가 있는 기사, 깊게 파고든 인물기사, 이러한 저널리즘의 일은 미디어의 장래에 매우 중요하다."는 내용이다.
한국의 미디어는 바론 전 주간의 이런 문제의식에 동의할까? 동의는 하지만 실행하지 못하고 있을까? 하지만 내가 보는 한국언론의 현상은 그와 정반대의 길을 가고 있는 것 같아 안타깝다. 그 끝이 너무 자명해 우울하다.
ジャーナリズムの未来 前ワシントン・ポスト編集主幹、マーティン・バロンさん
有料会員記事 2022年1月21日 5時00分コメント
米国で最もよく知られるジャーナリストの一人がワシントン・ポストの前編集主幹マーティン・バロン氏だ。昨年2月までの約8年間、一時は経営不振に直面した同紙の編集部門の改革の先頭に立ち、電子版購読者数を大きく増やした。ネット時代をいかにチャンスに変えたのか。
――ワシントン・ポストの編集主幹を退任した時、英紙ガーディアンは「究極の古き良きエディター」の退任と伝えました。
「ジャーナリズムの伝統的な価値観と原則を信じているという意味で、私は古き良き存在でしょう。ただ、インターネット時代に、どう記事を書き、どう報道するか、そして、いかに多くの人々にジャーナリズムを届けるかということに関して、ジャーナリズムが変わらなくてもよいとは考えていません。むしろ確実に変わらなければならないと考えています」
「しかし、変わってはいけないものもあります。ジャーナリズムの基本理念と原則です。そして、極めて高い質を維持しなければなりません。変わってはいけないものは、変えるべきものと同じぐらい、我々の将来にとって極めて重要です」
「就任当時、プリント版(紙媒体)の部数が落ち続ける一方で、デジタル課金モデルをまだ導入していなかったのでデジタル版の収入はなく、経営的には苦しい状況でした。(2012年まで編集長を務めた)ボストン・グローブでも同じ難題を抱えていました。ワシントン・ポストは成功するビジネスモデルを必死に模索していましたが、コストカットの継続を覚悟している状態でした」
――13年10月、ワシントン・ポスト社はアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏に売却されました。変化は起きましたか。
「彼は最初から最重要かつ根源的なことを実行しました。この新聞の戦略を変えたのです。首都ワシントン地域に焦点を絞るというそれまでの戦略は正しくないと考えていたのです。我々は経済基盤の全てをインターネットに破壊され、広告収入も失い、苦境のさなかにいました。しかし、彼の言葉を借りれば、インターネットは我々に一つの贈り物を与えてくれました。ほとんどコストをかけずに国内、海外のどこにでもニュースを届けられ、プリント版を刷らずに全国紙あるいは国際紙になれるという贈り物です」
「ワシントン・ポストはこの恵みを生かせる立場にいました。まず、全国紙あるいは国際紙にふさわしく米国の首都を拠点としていたことです。また、そうなるにはうってつけのワシントン・ポストという名前を持っていました」
「さらにベゾス氏の言葉を借りれば、『闇を照らす(shining a light in dark corners)』という調査報道の歴史と伝統を持っていました。その伝統はニクソン政権時代のウォーターゲート事件の報道にさかのぼります。実際にはほとんどの米国人がワシントン・ポストを読んでいなくても米国社会の中でこの新聞のアイデンティティーは確立されていました」
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――具体的にはどんな改革をしたのでしょうか。
「ベゾス氏は、『戦略に沿った正しい取り組みには投資する』と語りました。彼は二つの要素を満たすアイデアを求めました。一つは単に地域的な読者ではなく、全国の人々に訴求するもの。もう一つは、若い世代を引きつけるもの。我々は若い読者を必要としていました。若い世代を開拓しなければ、20年後には読者はいなくなってしまいます。そこで我々はそれらの要素を満たす一連のアイデアを提案しました」
「一つはインターネットにおけるコミュニケーションとは何かを理解しているジャーナリストたちの採用です。彼らの多くはデジタルメディア出身で、紙中心の媒体で働いたことがない人々です。彼らは、新聞で典型的に使われる堅苦しい文体や構成ではなく、インフォーマルで親しみやすい話し言葉で文章を書きます。ソーシャルメディア上で認知され、読者を開拓する必要があることを理解していました。また、自分が書いた記事がどう読まれているかを知るために指標に注意を払います。記事を読んだ読者の数や最も関心を集めたテーマ、どのような表現方法が良い結果を出しているかなどを知る指標を把握していました。彼らは我々に一つのモデルを示してくれました」
「我々の仕事は24時間態勢になりました。インターネットの世界では人々は瞬時にニュースが読めることを期待しています。我々は夜間のニュース部隊をつくりました。日中に編集部門が取り上げなかったニュースの中から最も話題になっている面白いものを選んだり、違った視点から続報を出したり、ニュース速報を配信したりする仕事を一晩中担当します。これは大変成功しました」
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――インターネット上には、無料で読める記事が氾濫(はんらん)しています。ジャーナリズムはどう差別化を図るべきでしょうか。
「ジャーナリズムの将来は、我々の仕事にお金を払う気持ちを読者に持ってもらえるかどうかにかかっています。真の価値を提供すれば、読者はそれにお金を払います。徹底した深い取材、より多くの調査報道、優れた分析、物語性のある読み物、深く掘り下げた人物記事など、こうしたジャーナリズムの仕事はメディアの将来にとって極めて重要です」
「今後、報道の表現の仕方は劇的に変化し、よりビジュアルになると私は考えています。しかし、ジャーナリズムの中核的価値観と原則は変わってはなりません。極めて高い報道の質を維持しなければなりません。必要とされる情報、そして知るべき情報を提供することによって、人々は民主主義の社会に関与できるのです。ジャーナリズムの仕事の中心にある大きな部分は、とりわけ為政者などの権力者と政府を監視し、説明責任を果たさせることです。この役割は決定的に重要です」
――新聞社の経営が厳しくなる中で、編集部門への投資を続けることも難しくなっています。
「単に新聞社がジャーナリストを何人抱えているかという数の問題ではなく、ジャーナリストたちが何をやっているかが問題です。彼らが仕事を成功させているかどうかが問題なのです。ジャーナリストたちが単に自己満足のために仕事をしているのか、それとも、読者のニーズを本当に満たしているのか。それぞれのジャーナリストたちが実際に何をしていて、彼らの努力はどう方向づけられているかが問題なのです」
「そして、新聞社の将来への投資ができているかどうかが問題です。単に人を減らし続けることが正解ではないでしょう。新聞ビジネスの性格の変化に伴って、適切に資源が配分されているかを評価しなければなりません。組織の予算が限られている以上、非常に厳しい意思決定をしなければならないでしょう。希少資源の配分という古典的な経済問題です」
「過去にやってきたことを繰り返すのではなく、どう資源を配分し、何が変化をもたらすか判断しなければなりません。ジャーナリストは現実と向き合うべき存在ですが、自分たちのビジネスの話になると現実を避けようとする。現実を直視しなければならない時期はだいぶ前から来ています」
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――新聞社やジャーナリズムの将来を悲観し、離職・転職する中堅・若手の記者もいます。
「若いジャーナリストたちが、デジタル時代の中で自分が働くメディアの将来を見据えた時、暗い気持ちになるのには理由があります。多くのニュースメディアが将来の成功を勝ち取る態勢へ向けてやるべきことをやっていないのです。(古くからある新聞や雑誌などの)レガシーメディアは培ってきた伝統の一部を大切に守っていくべきでしょう。しかし、その他の部分は捨てるべきでしょう。正直で高潔なジャーナリズムという基本的な価値観をしっかり守りながら、現代の人々のニーズを満たすために新しい形の発信と拡散の方法を発展させなければなりません。動画や音声、双方向性のあるグラフィック、アニメーション、アノテーション(注釈としての関連情報やデータの付与)などのツールを駆使することが求められています」
「我々の仕事の全ては(スマートフォンなどの)モバイル機器の上で最大の効果を発揮しなければなりません。ジャーナリズムの実践において、伝統的なやり方に固執しているメディアは次第に淘汰(とうた)されるでしょう。人々がどのように情報を入手しているかをよく心得ている新しいメディアがすでに現れています。長年ジャーナリズムの世界にいる人々は現実を受け止め、やるべき改革を迅速に進める責任があります。もし若いジャーナリストたちがその変革の一部になることができれば、しかもそれらを主導することができれば、彼らは仕事に喜びを感じ、将来への希望を見つけるでしょう」(聞き手・城俊雄)
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Martin Baron 1954年生まれ。ボストン・グローブ時代に、カトリック教会の神父による性的虐待や組織的隠蔽(いんぺい)を調査報道で暴いたことでも知られる。
◇インタビューの詳細は月刊Journalism1月号(朝日新聞社発行)でお読みいただけます。