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매거진 K문학

不便な温度

불편한 온도-하명희

by 이은주

不便な温度

単行本: 276ページ
出版社: ガン
著者:ハ·ミョンヒ
ISBN: 9788982182303
発売日: 2018/06/15

[著者プロフィール]
ハ·ミョンヒ
2009年『文学思想』新人文学賞、2014年には「木からの手紙」で全泰壹(チョン・テイル)文学賞、2016年にはチョ·ヨングァン文学創作基金を受賞し、2019年には『不便な温度』で韓国カトリック文学賞新人賞、白信愛(ペク・シンエ)文学賞を受賞した。 長編小説『木から届いた手紙』と小説集『不便な温度』『コヨはどこにあるんですか』がある。

[目次]
花汗
明き盲の手紙を読む方法
不便な温度
松葉杖
影の川
老いた水の愛は
夕方の声
雪の家

作品解説
『十分にかかわることが出来なかった愛のために』イ・チョルジュ
作家の言葉
収録作品の発表紙面

[レビュー]

ハ·ミョンヒの最初の小説集が出版された。 2009年『文学思想』の新人賞に短編小説「花汗」が当選して作品活動を始めたハ・ミョンヒは1991年春の民主化闘争を高校生の視点から描いた長編小説「木から届いた手紙」で22回チョン・テイル文学賞を受賞した。今回の初めての小説集で作家は不安定な労働環境で自尊と生存の戦いを続ける多様な人物の人生を密度高い言語と均衡感ある視線で捕らえることによってしばらく出会うことが難しかったリアリズム小説の新しい可能性を見せる。特に宅配青年の日常を扱った「花汗」と70メートル高空クレーンの女性記事が主人公である「不便な温度」は強烈な主題意識の他にもそのリアリティーで特別な小説的成就を誇る。

小説集には全7編の短編と1編の中編が収録されている。「花汗」と「不便な温度」他に一生履くことができる靴下をスーツケースに入れて暮らすある男の物語である「松葉杖」、移住女性と結婚後妻を死亡させた家庭で生まれた子供とおじいさんの残された人生を描いた「明き盲の手紙を読む方法」、一生おしっこをもらしたのを隠した一人の男の相談陳述を通じて親の世代の愛を覗いた「老いた水の愛は」、喪失感を抱えて生きる女性と彼女を離れることができない魂が会う時間と空間で記憶が戻ってくる夕方の残像を扱った「夕方の声」、パムソム(栗島)を取り囲むソウルの下町の暮らしを扱った中編「影の川」、そして高麗時代を背景に百済の流民である揚水尺族のある女性の人生を扱っている「雪の家」がある。


ハ・ミョンヒの文章があたえる丈夫さと安定した力は、存在論的な類似性によって互いを支持し連帯する人生、そしてそういう人生を詩的な隠喩に引き出す明澄な洞察力から生まれる。


推薦評
風が強かった2017年の冬のある日、小説家ハ·ミョンヒに初めて会った。1991年5月についた大事な証言であり美しい成長小説である『木から届いた手紙』を感動的に読んだ直後だった。彼女と私は明け方まで小さい酒場に座って話を交わした。私には想像しがたい高校3年生時代、91年5月の珍しくて大事な経験を低い声で一つずつ聞かせてくれた。私は恥ずかしかったし、楽しく、彼の小説がさらに読みたかった。やがて私は『不便な温度』にのせられた原稿を受け取って直ちにその場で読み始めた。撤去、宅配、高空籠城、トラック、クレーン、靴下工場、バムソム、漢江(ハンガン)、屋台のリヤカー、カーバイドマッコリ…。 ハ·ミョンヒの小説で見られる単語。私たちの暮らしと労働の現場の一番底にある、または一番高い所に位置する体臭と息遣いに満ちた素材。少なくとも70年代以後に出生した韓国作家の小説ではいつの間にか痕跡をなくしたのかなかなか目にすることが難しくなった単語だ。その単語は不便だ。しかし思い出と温もりが優しく包んでいる。『不便な温度』あちこちには疲れた労働の跡が言語の筋肉にしっかりと染み付いている。ひたすら辛かったりパサパサしていないで、夕方のように安らかで居心地がいい。ハ・ミョンヒの小説は食堂でベッパン(日替わり定食)を一緒に食べる男女労働者の切実な連帯について語り、夜一緒に歩きたい恋人たちの切ない恋しさを描いている。「ご飯の連帯」と「人間の肌の懐かしさ」、ストライキの現場と生きてきた日々に対する思い出すべてが暮らしの道理だ。そして『不便な温度』は土地を選ぶのではなく、「ある土地で自分の温度を生成する」虎耳草(ユキノシタ)という花に似ている。それは堅固で温かいリアリズムの成就だ。

ボク・ドフン文学評論家

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